消費税インボイス制度⑥
立替金清算書等の留意点[対事業者編]
例えば、ビル管理事業者・各テナント・公共料金事業者などの三者間において、ビル管理事業者が各テナントの水道光熱費等を立替払し、後日、各テナントと精算する場合、通常であれば、公共料金事業者からは 「 ビル管理事業者宛 」のインボイスが交付されます。
しかし、各テナントが仕入税額控除を行うには、「 ビル管理事業者宛 」 ではなく 「各テナント宛 」のインボイスが必要となります。そうでなければ、公共料金事業者から行った課税仕入れが自社のものであると明らかにできないからです。よって、ビル管理事業者は各テナントに対し、「 ビル管理事業者宛 」のインボイスの写しに加え、立替金精算書等を作成・交付する必要があります。各テナントは、これら書類の保存をもって、課税仕入れに係る請求書等の保存があるものと取り扱われます。
なお、立替金精算書等の基本的な考え方は、既報の対従業員で用いるものと変わりません。既存のフォーマットを流用するなど、各テナントが管理しやすい方法を検討してください。
ただ、立替払を行うビル管理事業者は、各テナントへ交付するインボイスの写しが大量となるなどの事情により、写しの交付が困難な場合には、ビル管理事業者がインボイスの原本を保存し、各テナントに立替金精算書等を交付することで、各テナントは立替金精算書等の保存をもって仕入税額控除を行うことができます。ビル管理事業者が作成する立替金精算書等のみが交付される場合には、公共料金事業者の登録番号を明記するなど立替金精算書等のみでインボイスの必要事項を満たす必要があります。
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本号の担当は 杉之原チーム でした。