相続税・贈与税の方向性
【令和4年度 税制改正大綱から考える】
相続税・贈与税が改正されて、贈与税の暦年課税制度が廃止されるのではないかという記事が週刊誌にも掲載されたようです。
富裕層が、暦年課税の年110万円の基礎控除額を利用し、子や孫に贈与を繰り返して、将来の相続税を少なくしているとの声が出ています。このことは、税制改正大綱にも次のように記載されています。
○「相当に高額な相続財産を有する層にとっては、財産の分割贈与を通じて相続税の累進負担を回避しながら多額の財産を移転することが可能となっている。」
○「今後は、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。」
(令和4年度 税制改正大綱より引用)
令和5年度の税制改正に何らかの手当をするのかどうかは不明ですが、「本格的な検討」を着々と進めるような気がします。
私見ですが、
たとえば、暦年課税制度の基礎控除額を110万円から60万円に戻す。
※贈与税の基礎控除額は、相続税法では60万円ですが、租税特別措置法で政策的に平成13年1月1日から110万円に引き上げられているのです。
贈与税の基礎控除を一度に廃止することは影響が大きいので、先ずは元に戻し2段階目に、贈与税の基礎控除をゼロにして相続時精算課税制度は存続させて、相続税に一本化することがあるかもしれませんね!
◎ご参考までに
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置については、適用期限が令和5年12月31まで2年延長されています。
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本号の担当は 税理士 竹村 でした。