災害に対する備えはできていますか?
昨年は、西日本豪雨災害、先日は台風による水害と、毎年のように大規模災害が続いています。
災害に被災した場合の、事業にとって重要なポイントや制度をまとめてみました。
【ポイント1.事業復旧予定時期の設定】
従業員や取引先、会社資産の被災状況の把握はもちろんのことですが、その後は、復旧計画を迅速に立て、復旧予定時期を設定することが重要です。
これは、社内外への事業継続の意思表明にもなります。
【ポイント2.資金繰りでは、災害時の融資制度も検討する】
①小規模企業共済の災害時貸付、緊急経営安定貸付(共済加入者のみ)
②日本政策金融公庫の災害復旧貸付
③信用保証協会によるセーフティネット保証、災害関係保証
そのほか、既往の金融機関債務のリスケジュールの要請も検討します。
『普段からの保険や共済に よる備えは大切ですね。』
【ポイント3.失業給付・雇用調整助成金】
①事業所が災害により休止・廃止したために、賃金が支払われないか、あるいは一時離職した労働者が失業給付を受給します。雇用保険に6ヶ月以上加入しているなどの要件に注意です。
②また、被災などに伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業等を行って労働者の雇用の維持を図る場合に、労働者に支払った休業手当の一部が助成される雇用調整助成金制度もあります。(雇用保険適用事業者が対象です。)
【ポイント4.税務面では……】
①被災した個人や事業者の源泉所得税の徴収・納税猶予&納付期限延長制度があります。
②申告納付期限の延長の申請ができる場合があります。
③被災した取引先への支援は、一定の要件のもと、損金に算入できます。
④被災した事業年度に、被災資産の修繕等に要する費用の見積額を災害損失特別勘定として
損金にすることが可能。ただし、原則として、翌事業年度には戻入益が発生します。
【ポイント5.罹災証明書】
①罹災証明書(※)とは、災害対策基本法に基づき、市町村長が調査、発行する証明書で、被害の種類や程度を証明するものです。
②上記【ポイント2】の融資制度など、様々な支援や制度、特例措置に利用できるので、取得しておくべきです。
③申請は、被災状況の写真とともに、市役所等の窓口で行います。
※被災証明書とは異なります。被災証明書は被災した「事 実」を証明するもので、被害の 「程度」は証明されません。
上記がすべてではありませんが、知って頂くきっかけになれば幸いです。
備えあれば患いなし。いざという時のため、普段から少しずつ準備をしておきましょう。
『税理士法人 たけむら』 は 『高品質の申告とサービスで、安心と幸せをお届けします』
本号の担当は 細谷チーム でした。