事業承継対策、あなたの会社の取り組みは?
中小企業の事業承継問題がクローズアップされています。一般的に、事業承継には後継者育成を含めて5~10年かかると言われていますが、統計結果からは問題の先送りが見えてきます。
●経営者の平均引退年齢の上昇
中小企業庁の統計調査によると、2015年の中小企業経営者の最多年齢層は66歳でした。
1995年の47歳から、この20年間で経営者年齢の山は約20歳上昇し、65歳以上の経営者は全体の約4割を占めています。それに伴い引退年齢も上昇し、平均は67歳~70歳となっています。
●経営者高齢化の背景に後継者不足
「後継者を決定している企業」は全体の12.4%で8社に1社です。
しかし、60歳以上の経営者の実に50%が自分の代で「廃業を予定している」と回答しています。その理由は、「当初から自分の代でやめようと思っていた」 (38.2%)が最も多いものの、「子どもに継ぐ意思がない」(12.8%)、「子どもがいない」(9.2%)、「適当な後継者が見つからない」(6.6%)など、後継者が確保できない回答も約3割を占めています。
●事業承継は早期の準備開始も重要
問題であるのは、「廃業予定企業」であっても、3割が同業他社よりも業績が良く、4割が今後10年間の将来性について「事業の維持、成長が可能」と回答していることです。
事業は継続可能であるにもかかわらず、後継者の確保ができず廃業を選択せざるを得ない状況に陥っている実態があり、その企業が維持している雇用や技術が失われてしまうおそれがあります。
後継者の育成期間を含めれば、事業承継には5年~10年を要するものと考えられ、例えば70歳で引退する場合、60歳には始めておくことになります。また、親族や従業員等に後継者がいないため事業譲渡や株式譲渡などM&Aにより社外の第三者へ承継する場合も、ある程度の時間を要します。
事業承継は、一部の会社だけではなく全ての企業にとっての課題です。早期に準備を始めることの重要性を、今一度考えてみませんか。
10月14日(土)は通常通り営業いたします。
竹村税理士事務所は本号の担当は、『高品質の申告とサービスで、安心と幸せをお届けします』 中小企業診断士 植田 でした。