おさらいしましょう 有給休暇
『働き方改革』という言葉も馴染んできましたが、その『働き方改革』のなかで、一番多い問合せは有給休暇についてです。以前のニュースレビュー(2018年8月20日号)や当事務所のセミナーでも周知してきましたが、もう一度簡単におさらいしましょう。
【有給休暇5日の消化義務って何?】
『有給5日取得』、『有給の消化義務』、『有給の強制消化』など色々な言葉が使われていますが、これらはどういう事なのでしょうか?
それは、2019年4月1日からは、有給休暇が10日以上付与された従業員に対して、付与された日から1年以内に必ず5日間の有給休暇を与えなければいけません。
現在は、有給休暇を取得する場合、従業員側から申し出ることとなっています。しかし、諸々の事情により有給休暇を申し出ることをためらい、取得することが難しい場合があります。
そこで改正後は、年間で5日間の有給休暇を取得していない従業員に対して、会社側から本人に取得日の希望を聞いたうえで、会社が取得日を指定して有給休暇を与えなければいけません。
つまり、会社側が積極的に年間で5日間は有給休暇を取得できるようにしなければいけません。
【よくある質問】
①1年以内ってことは、今回は2020年3月末までに5日間取得しないといけないの?
1年の期間は、2019年4月1日以降に有給休暇が付与された日から1年間です。
2019年4月1日から2020年3月31日までの1年間ではありません。
②本人が申し出た有給休暇が8日あるんだけど、さらに5日取得させるの?
従来どおり本人が申し出た有給休暇の日数が5日以上ある場合は、この義務はありません。
例えば、本人が申し出た有給休暇の日数が年間で2日間の場合、あと3日間について会社側が積極的に与えなければいけません。
③5日間の有給休暇をどのように取得させれば良いの?
・『有給休暇の計画的付与』を利用して、会社の休日カレンダーにあらかじめ有給休暇5日分を盛り込むことで取得させます。ただし、有給休暇の計画的付与については、要件等もありますので、事前にご相談ください。
・繁忙期ではない時期に積極的に取得させる。
・10ヶ月目で5日間を消化していない者に対して、11ヶ月目と12ヶ月目で取得させる。
などの方法があります。
その他何かありましたら、細谷までご相談下さい。
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本号の担当は 特定社会保険労務士 細谷 でした。